2019年1月25日金曜日

"Icekai" es xorln unde #6の精読

和訳は私による拙訳であり。非公式である。


Edixa ny no io furdzvok mol kaxilijasastan'd tykuvu'd ipeiccal melx edixu jungkar josnynil mol fal fonto.
「やっと村の外の農地について、夕焼けが見えた。」

Tan mi letix laladiren lixer felx, jol cene niv lovim destek xelvinj.
「ところで、俺が元の(?)体を持っていれば既に足は動いてないことだろう。」
>恐らく、laladirenはtypoでladir(rg)en [la-dir(-rg-)-en]を表したかったのだろう。"ladirien"でも正しい。

Pa mi set tieesn niv fal no.
「でも、俺は全く疲れていなかった。」
>"set ~ niv"だと少し不自然に聞こえるが、許容範囲。「全く~ない」は"fav ~ niv"で表せる。

Dalle tisoderl fqiu lixer es le fentetieesnolen.
「思ったとおり、この体はよりスタミナがあるようになったのだろう」

Liaxu la lex xale iulo'i tisod melx liaxa snyr'it duxieno'i lex lusus xale annia deson klie mi'l.
「そんなことを考えていると、農作業を終えたような(?)男性が歩いて俺の方へと来た。」
>lex Vのあとにxaleが入るのは不自然。「農作業を終えたらしい」とするのであれば"jol lex lusus"などにすると良さそうだ。

“Salarua”
「こんにちは」

“Salarua. E jel niv co fal fqa. Co es xveliser lu?"
「こんにちは、この辺では見ない顔ですね(?)。旅人さんですか?」
>「この辺では見ない顔」のような表現としてはE以降はそのままでは読みにくい。"Co juluftie mol fqa."とかだと自然になりそうな気がする。

Mole niv mi lfurf la zelx edixa mi klie lerj waxunde, pelx xveliser zu fav qune niv mal fav letix niv es elx jol xorln.
「異世界から来たということを言うべきではないが、何もわからないうえ、何も持っていない旅人は奇妙だろう。」
>lfurfはlkurfのtypoであろう。
>"xveliser"に掛かるzu節が読みづらそうだ。この場合は動詞の前なのでlexを用いるのが自然で、"fav qune niv mal lexif letix xveliser"という感じにすると自然だ。

Mag edixa mecceries lkurf ny na lex.
「だから、一応次のように言った。」
>何も間違ってない文章なのだけど、la lex関連の日本語訳って困りますよね。

”Mer......mi fav qune niv fal cirla. Edixa e'c firlexil io mi mol fal dzosnir mal deson klie niryj’l.”
「えっと……本当に俺は何も知らないんです。気づいたときには草原に居て、ここへと歩いて来たんです。」

Jol edixa si besltertel fal no.
「今、彼は納得したらしい」

Vatimel edixa si xacerrga lkurf ny la lex.
更に彼はありがたいことに次のように言った。
>xacerrgaは接続詞なので、vatimelと位置を入れ替えると自然っぽさがある。

Asnixart l'es mi'i en nyrnenalo.
「異邦人である自分を泊めようと言うのだ。」

Cene niv mi tydiest xokise'l atif gelx jukarleno'i lostutes mal si'c josxe.
「よそに行くことは出来ないし、行くべきではないだろうから、親切に甘えさせてもらって、彼に付いていった。」
>惜しい、明記されていないので分かるはずもないがjosxeは付いていくものに-'iを取る。これについては辞書に追記する。

Chai danifaj jarlimite sniexij mol fal fqa'd kaxilijas jol.
「線でも舗装された道路でもないものが、この村にあるのかもしれない」
>ここで言及されているchaiは何の意なのだろう。

Vatimel fedial mol.
「更に、井戸があった。」

Ers set venal ol undestan'd dunalikafi'ame es xesxe?
「とても田舎なのか、もしくはこの世界の文明は昔ながら(?)なのだろうか?」
>"nefvatinen" [nef-vatin-en](未発達の)を作ったので、xesxeと入れ替えると良いかもしれない。

Liaxu la lex xale iulo'i tisod mal etixon furdzvok mol.
「そんなことを考えていると、直ぐに到着していた。」

Si'd dystis mol fal kaxilijasastan'd stikiesn ly.
「彼の家は村の末端にあるらしい」

“Cespal, ers lystet.”
「狭くて済まないね。」

Edixa la lex'i lex lkurf si'd dystis es flarngn pelx edicy niesiesn lius sniesej mal stidisnon nutines xinev.
「そう言う彼の家は質素だが、家具は綺麗であり、床は綺麗に掃除されていた。」
>flarngnは性格に使う。"mol filx xipiaoen zalizal"とかにすべきだろうか。

“Edioll mi nat kverniacelemees niv.
「自己紹介がまだだったね。」

Mi'd ferlk es Kachet Dethik.
「僕の名前はカチェット・デティック」

No'l plax.
「よろしくね」

Mal co'd ferlk es harmie lu?"
「それで、君の名前はなんだい?」

Ers nesnerl vilartienj niv.
「聞き慣れない音だ。」

Lkurfon fuaj deluses akrunfto mag corln ers niv aloajerlerm.
「会話のためには翻訳が必要だから、もちろんアロアイェーレームではないだろう。」

“Mi es Fixa Velertextiju.”
「俺はフィシャ・ヴェレーテシュティユ」

Edixa si fenxe oniex ad xper mi'c fal heska.
「彼は夕飯にパンとスープを出した。」

Mal plaxeson veles kantio mels fqa'd kaxilijas.
「そしてこの村について教えてもらうことにした」

Edixa si lkurf ny la lex.
「彼は次のように言った」

Kaxilijasastan mol fal fegard fon naa'ra fon Colkut mal andqassa'd larta sietiv.
「この村はソルクット王国の辺境に位置し、30人ほどの人間が住んでいる。」

Mal e niv fercaglesni fontalsj mal e's iesnyx niv pa ers vynut kaxilijas zu als miscarceldin.
「交流は殆無く、繁栄しているというわけでは無いが、皆が助け合う良い村だ。」
>一文目に動詞が抜けている"fercaglesni fontals mol niv"だろうか?

Edixa mi tidest mels sime.
「俺は彼自身についても尋ねた」

Si'd icco es Colkutu'd sysit melx liacy tast fua fhasfa'd lamiet ly.
「彼の故郷はソルクットの中心部であり、様々な理由で逃げてきたらしい。」

Nio si sietiv cixj lankirler fal niryj ly.
「今彼は医者としてここで暮らしている。」
>"nio"の位置は動詞の前(もしくは後ではnioj)が正しい。

“Liacy niss relod xale keples mi da.
「彼らは家族のように僕を受け入れてくれたんだ。」
>別に間違いではないが、daは詩語である。詩語を入れると、少し気取っているように聞こえるがそこまで強いニュアンスを持っているわけはないので別に気にしなくても良い。

Fal cirla, Kachet es restuten ferlk zu mi icve fal fqa.
「実際、カチェットという名字はここで得たものだ。」

Yst no ny y, als g'es Kachet fal fqa, e sties e'i fal tesnoken ferlk."
「言いそびれたけど、ここではみんなカチェット姓だから、名前で呼びあうんだ。」
>"miscaon"をstiesの前に挿入すると分かりやすくなりそうだ。

Fasta dekuto miss tastleus mal en sulaunala'l.
「雑談の後、俺達は水浴びして、寝床に入った。」
>間違いではないが、"fasta dekuto"の後にコロンを付けると読みやすい。

Edioll panqa lap jieniej mol pa Dethik parxam lkurf la zelx mole mi sulaun fal la lex.
「ベットは一つだけだったが、デティックは俺がそこで寝るべきだと言って譲らなかった。」

Skylolen iuloss voles fal sysnul.
「大変な出来事が今日起きた。」
>skylolenはどちらかと言うと事の重大さを表す形容詞なので、ここではsxeを使うべきだろうか?(後ろの文章を見てこの指摘は怪しくなった)

Pa mi mecceries tisod ny la lex. Elaja, cene mi niejod fal fqa'd unde.
「だが、俺はとりあえずこう考えた。大丈夫さ、俺はこの世界で生きていける。」

2019年1月18日金曜日

lipaっぽい単語から始まっている単語の問題


 リパライン語の単語には「リパライン語」や「リパラオネ民族」を表す<lipalain>、リパライン語を表記する文字を表す<liparxe>、「リパライン語」を表す<lineparine>、「リパラオネ教」を指す<lipalaone>(恐らく「リパコール」という名前の<lipakorl>も)という感じで通常は合成語などで対応できるものが語根として存在している。これらについて考えていきたい。

《lipalain》 - 「リパラオネ人のやり方」
 現代語"lipalain"の語源が前期古リパライン語の"lipha limi"で、この"lipha"が「暗黒」の意。この形態素は祖語の*liəと*pʰæの複合語で、前者はliaxaなどの相助動詞と同根で、後者は羅祖語*phedと関係があるかもしれないと考えられている。

・*lipha部分のことについて
 PMCFでアイル共和国のリナエスト側の島の名称である闇(ペド)島、リパラオネの混血や言語構造的影響をある程度受けているバート人という名称はラネーメ祖語の*phed由来であること、ラネーメ側から見てリパラオネ人世界は西側が近かったことを鑑みるとシアン祖語ではリパ・リナを指したのかもしれない
 祖語*liəは存在動詞で、古くは相助動詞では無かった。現代語のliaxa, liaxi, liaxuなどは祖語*liəの相変化型で、本来動詞節をとっていた物が中期理語で動詞が無変化となったことで成立した助動詞となってユナ・リパライン語派ではこれが定着したもの。古理語やヴェフィス語派では相変化は残っている。
 古理語の造語規則に従うと*liə+*phedは*liphとなる、これは恐らく「闇側に居る」=「西側に居る」=「リパラオネやリナエストに居る」という意味になると思われる。

・*limi部分のことについて
 limiは古リパライン語では「道」を指しているが、これから派生したlimeという動詞は「行う、実行する」という意味になっている。恐らく*limという形態素は「道、行く、行う、実行する」のような、現代ラネーメ語に近い意味範疇を持っていたのだろう。燐帝字母の「行」を見てみると「行く」、「行う」が同じ祖語の単語で存在している。

 つまり、*liphと*limがくっついた*liphəlim(əは緩衝母音)が語源となると思われる。その後以下の音韻変化を経てlipalainになった。

  • 古ユナ語までに有気音は完全に無声化した。
  • /i/は古典語、中期語の間で[aj]で発音される音韻変化を起こす場合がある。
  • 後述の通り、lineparineも元々は[lajneparine]だったため、変化の途中では[laipalain]だったが、恐らく語頭の音節では[aj]-[ej]-[i]と変化した。
  • 語末のmはnに変化する場合がある(ectientoceium - ectentoxun, ihaksam - fazan, ircalart vhensium - irvhenなど)


《liparxe》 - 「リパラオネ人の……」
辞書によると一番古い文字表にはlipha sheと書いてあり、lipha(つまり*liph)は古理語で沈黙を指し、*sheの意味はよくわかっていない。sheが含まれるのはpleashe(現代理語同根語はplax)、音象徴としてはshi(感謝)があるこれが語源かは確実ではない。     
 falira.lyjotafisは「沈黙と感謝で対比させて万物の表現を意味した」とする説を提唱した。古理語ではlipasheという単語が一般的に使われた。liphaの古理語辞書音は[lifa]であるため、元々は[lipʰa ɕe]のような発音で中理語までに無気音化したために[pʰa]が[pa]になり、アクセント位置が後ろから二つ目に固定されたために長音になった。現代標準語では初期はliparsheであったが、表記ゆれとして段々とliparxeになっていった。shに当たる音は現代語ではx/shの音素の変化と共にɕ - ʃ - ʂと変化していった。

《lineparine》 - 「リパラオネ人の高貴な言葉」
中期リパライン語では/lainepaline/だったため、lipalainの後部の要素と*parineがくっついたものと考えられる。*parineは恐らく語源が「高貴な言葉」という意味の"pharinue"で、lineparineの古い形はlainəpharinueのような形だろう。つまり「リパラオネ族の高貴な言葉」という意味である。

《lipalaone》 - 「リパラオネ人の文化風習」
liparxeと同じく前の部分はlipaは*liphであろう。*laoneは良く分からないが、faik{leone}やyues{leone}(iues{leone})などと同根の単語で「土地やその土地に結び付けられた文化風俗、慣習」を表していたのだろう。つまり「リパラオネ人の文化風習」ということになる。