2020年2月16日日曜日

現代標準リパライン語の複数語尾に関して

考えていたことをそのまま書いているので大分ごちゃごちゃな文章になっています。



最近、複数(と、以下で書くのはリパラオネ語族の用語で厳密には「多数性」だが)に関して思うことがあったのでまとめて書き残しておく。

そもそもこの話で思ったのは、現代標準リパライン語での複数語尾が何故-ssなのかということである。古典リパライン語の複数語尾は-sである。

まあ、本来リパラオネ語族には複数語尾なんてものは無かったのかもしれない(以下にリパライン語以外の複数の表し方を調べて書いてみる)
ヴェフィス語で複数を表す方法は専ら形容詞 jais 「多くの」の変化形であり、複数のための語尾は存在しない。
現代フラッドシャー語では代名詞では-sが元となった複数形が存在し、普通名詞の複数語尾の元は*-eusらしい。おかげで単語がウムラウトする場合がある。

この jais は語源が jer 「食べる、食べ物」らしいからよくわからないが、フラッドシャー語における複数語尾のもとである*-eusだとか標準現代リパライン語の-ss、挙句の果てには古典リパライン語-sまで元々は jais, jer のような単語だったのではないだろうか。
すると、リパラオネ祖語の複数語尾は *-s ではなく元々 *[j]eus みたいな形であり、ヴェフィス語ではfi型形容詞変化の単語として基本形が jais として扱われるようになっていった(から、元々はjeusみたいな形なのかも知れないけど)のかもしれない。ヴェフィス語jが理語/dz/の音素になっているのは古理語からの変化時に生じたものであり、eの前にjが生えるのは……
まあ、ただここらへんの話は一番最初の話とは関係ないのだ。

脱線したお話をレールに戻そう。
恐らく、古ユナ・リパライン語(現代標準現代リパライン語の前身)において、複数語尾は元々は -s だったのだろう。
仮説として、-s語尾の単語に緩衝音が付かない状態で複数語尾が付いたものから、類推で-ssという語尾が成立したというものが真っ先に思いついた。しかし、集計してみると現代標準リパライン語で-s語尾の単語は全体の8.5%しかないのでこの説は採用し難い。
というか、-ssは/s/で-ssVが/szV/であることも重要なことだ。-ss /s/の形がやはり基本形に思える。
名詞語幹と格語尾或いは緩衝音に挟まれたときに有声化すると語幹と区別しづらくなるからだろうか? -/sz/-になって複数という形態的な部分と有声化という音声的な部分をどちらもはっきりと残すことと聞き間違えバッファを伸ばすためにこうなったとかは考えたが、どうもしっくり来ない。

2019年6月2日日曜日

クリンゴン語を適当に読んだときのログ


"qaleghnes, yu'eSlewnengan!"
>qalegh vIneH / I want to see you.
>The reflexive suffix -ʼegh indicates that the individual subject(s) does/do the action to her/him/itself//themselves.
>qa-……私があなたを
>legh……見る
>vI-……私が彼(ら)(それ(ら))を
>neH……欲する、したい
qa-……私があなたを
legh……見る
-nes……-neS(honorific)のことか?

yu'eSlewnengan……恐らく、yu`eSlewneが「ユエスレオネ」、語尾-nganはthlnganから「~人」に当たる語尾であると解釈。

"thlngan Duy jlH"
Duy……代理人
jlH……私は……である

"tlhlngan Hol Dayaj'a?"
Hol……言葉、言語
Da-……あなたがそれ(ら)を
yaj……分かる、理解する
>The interrogative suffix -ʼaʼ is used to form yes–no questions.[17]
>bIqal you are corrupt → bIqalʼaʼ? Are you corrupt?
-`a……疑問語尾、-`a`じゃね?

"'oH Dayajbe'chugh, ylH oD."
`oH……それは~である
Da-……あなたがそれ(ら)を
yaj……分かる、理解する
>The rover suffix -beʼ negates what precedes it but in the imperative mood -Qoʼ is used.[33]
>wInaD We praise it → wInaDbeʼ We do not praise it
boʼollaH You are able to verify it → boʼollaHbeʼ You are not able to verify it
-beʼ……否定?
>The suffix -chugh is used to form conditionals.[29]
>DaSamlaHchugh, DaSuqlaH If you can find it, you can take it
>(DaSamlaH you can find it, DaSuqlaH you can acquire (take) it)
-chugh……仮定法語尾

"Daj tlhlngan Hol."
Daj……興味深い

「はじめまして、ユエスレオネ人の方。
私はクリンゴン人の代理者。
あなたはクリンゴン語が話せるか?
あなたがそれを理解できるならば、……(訳注:良く分からなかった)
クリンゴン語は興味深い」

2019年4月27日土曜日

"Icekai" es xorln unde #7の精読


Edixa mi pen xelerl melx edixu Dethik jujojes ririp.
「目を覚ますとデティックは朝食を調理していた」

Selene mi nacees fua elx cene niv e'i celdin.
「俺は手伝えないから、謝りたかった」
>celdinはceldinoにすると標準的になる。

Edixa miss knloanil fastaj elx edioll tydiest fua viroto sietiversse'l.
「俺たちは食べた後に住んでいる人に会いに行った」

Edixu niss mol fal sniejusal xale polto.
「集会所のような場所に彼らは居た」

Edixu mi'i mili ly, elx liaxu als xel jusnys.
「俺を待っていたらしい、皆こちらを見ていた」
>elxはmelxにしよう。

Mal liaxa sjaer tusty fonto'l.
「すると、老人が前に出てきた」
>malのあとに,を入れると自然。

“Salarua, mal klie. Mi m'es Kachet Workanil, ers kaxilijasen lirj. Fqa io relod xale moliupi'a xveliser'i at. Verliestra.”
「おはよう、そしていらっしゃい。私はカチェット・ウォーカニル、村長じゃ。ここでは旅人も家族のように扱う。おくつろぎ下さい」
>malの後にklieが来ると動詞に見えるので注意。

Fastavil io alsa'tj fyrfsykon kverniacelemees mal bong'ia'i es.
「その後に皆と簡単に自己紹介し、雑談をした。」

Edicy mi veles stieso “Vel.”
「私はヴェルと呼ばれてしまっていた」
>一文の中に引用符があったり、無かったりする文章ではピリオドは引用符の外に打たれるのが慣例。逆にすべての文章が引用符内に収まる場合はピリオドは引用符内に打たれる。

Edixu niss lkurf starsken voleso fal kalzaneno melx edixa ers vxorlnajten lessononj.
「彼らは最近、日常的に起きていることを話し、割りかし興味深かった」
>"melx edixa jel lessononj la vxorlnajten (la lexe'c)."とでもしておくのが自然に聞こえる。

Pa lkurfonastan veles kaselo.
「しかし、その会話は中断された。」
>kacelo、これも方言行きかなあ。

Cun liaxa panqa'd josnyker favedurkon disnostarlt mal lkurf nu la lex.
「何故なら一人の若者が荒い呼吸で駆け寄ってきて次のように行ったからであった」
>ny la lex、方言行きですねえ。
>cunのあとに,を入れると自然。

“Ers skylolen! Liaxu xerf sniejuserl fon klian klierlst niryj da!”
「大変だ! スライムの大きな群れがここに来ているんDA!」
>daは詩語なので、deaを使うと良い。日常会話で詩語を使うのはそういった雰囲気である時や何らかの含意がある場合である。

Liaxa distoxtern lartmarle mol etixonj.
「瞬間、嫌な空気が流れた」

Vatimel liaxu fhasfa’d lartass flesve.
「更に幾らかの人間は震え上がった」

Tan, klian es fhasfa zelx edixa xel mi’st? Wioll jol niv ers malef setj lyme.
「ところでスライムといえば俺が見た何かなのだろうか? それほど危険には思えないが」

“Plaxci, klianastan es la lexen lujys?”
「すみません、スライムはそんなに恐ろしいものなんですか?」
>"es lujys li la lex?"と書くとそれらしい。"Harmie coss fau klianastan ydicel lij la lex?"とか書いても良いかも知れない。

“Fallerrgon p’es desnux, pakda es loler. Lirs, sniejuson ceco larta’it mol niv fal farfel pa. Ers fhasfa’d xorln.”
「個々は弱いが、数が多い。そもそも、普通は集団で人を襲うことは無いんだが。なにか奇妙だ」
>"Liaoll (klianass) sniejuson cec niv larta fal farfel pa..."と書いたほうが読みやすそうではある。
>"Ers fhasfa'd xorln"は違和感がある。"Ers xorln mels fhasfa"なら規範的だが、コロケーションとしてどうなのかがあやふやだ。要検討。

Tismal edixa mi’st retoverle’d chaku elx edixi biu e’c n.
「もしかして、俺が殺した奴の仲間が仕返しに来たってことか?」

Fi la lex it jisesner mol, elx cene niv itenes jol da. Deliu mi femarle es e’i.
「もし、あれのせいで死人が居れば、責任を取ることはできない。俺がどうにかしなけば」
>「死人が出る」は確かに難しいが、単純に"larta veles jisesno"とか"reto larta"とかでも良い気はする。"kjilf bisnylo/dueso/telerso"とかでも良いかも知れない。

Liaxa e cierjustel anpanqa li lartass zelx cene elm.
「戦うために十人くらいの人々が集まっていた。」

Etonon mol zantanasch fal steijyl adit alfaovali’etyl.
「鋤やらスコップなどそれぞれ装備を持っていた」
>alfaovali'etylは割と「ドリル」のような感じにも聞こえる。

Dethik lap mol fal ledydice pa hame si elm n.
「デティックだけは素手で居たが、彼はどうやって戦うのだろうか?」
>"mol fal ~"と書くと「~に居る、存在する」の構文になってしまうので、"-'s mol 形容詞"「Sは形容詞の状態でいる」構文を使って、"mol ledydicergolen"とでも書けばいいのかも知れない。

Mi m’icve steijyl e’c, lirj’l ijiesnon ta dalle als.
「俺は鋤を手にとって、皆と同じように村長の方を向いて立った。」

"Fua sesnudo naldesen kaxilijas’it da. Wioll miss zel elmo filx als dur do!"
「一族の村を守るためだ、我々は何があっても戦い続けるぞ!」
>fua節を閉じるのではなく、daの後にelxを入れて続けて良さそうだ。

2019年1月25日金曜日

"Icekai" es xorln unde #6の精読

和訳は私による拙訳であり。非公式である。


Edixa ny no io furdzvok mol kaxilijasastan'd tykuvu'd ipeiccal melx edixu jungkar josnynil mol fal fonto.
「やっと村の外の農地について、夕焼けが見えた。」

Tan mi letix laladiren lixer felx, jol cene niv lovim destek xelvinj.
「ところで、俺が元の(?)体を持っていれば既に足は動いてないことだろう。」
>恐らく、laladirenはtypoでladir(rg)en [la-dir(-rg-)-en]を表したかったのだろう。"ladirien"でも正しい。

Pa mi set tieesn niv fal no.
「でも、俺は全く疲れていなかった。」
>"set ~ niv"だと少し不自然に聞こえるが、許容範囲。「全く~ない」は"fav ~ niv"で表せる。

Dalle tisoderl fqiu lixer es le fentetieesnolen.
「思ったとおり、この体はよりスタミナがあるようになったのだろう」

Liaxu la lex xale iulo'i tisod melx liaxa snyr'it duxieno'i lex lusus xale annia deson klie mi'l.
「そんなことを考えていると、農作業を終えたような(?)男性が歩いて俺の方へと来た。」
>lex Vのあとにxaleが入るのは不自然。「農作業を終えたらしい」とするのであれば"jol lex lusus"などにすると良さそうだ。

“Salarua”
「こんにちは」

“Salarua. E jel niv co fal fqa. Co es xveliser lu?"
「こんにちは、この辺では見ない顔ですね(?)。旅人さんですか?」
>「この辺では見ない顔」のような表現としてはE以降はそのままでは読みにくい。"Co juluftie mol fqa."とかだと自然になりそうな気がする。

Mole niv mi lfurf la zelx edixa mi klie lerj waxunde, pelx xveliser zu fav qune niv mal fav letix niv es elx jol xorln.
「異世界から来たということを言うべきではないが、何もわからないうえ、何も持っていない旅人は奇妙だろう。」
>lfurfはlkurfのtypoであろう。
>"xveliser"に掛かるzu節が読みづらそうだ。この場合は動詞の前なのでlexを用いるのが自然で、"fav qune niv mal lexif letix xveliser"という感じにすると自然だ。

Mag edixa mecceries lkurf ny na lex.
「だから、一応次のように言った。」
>何も間違ってない文章なのだけど、la lex関連の日本語訳って困りますよね。

”Mer......mi fav qune niv fal cirla. Edixa e'c firlexil io mi mol fal dzosnir mal deson klie niryj’l.”
「えっと……本当に俺は何も知らないんです。気づいたときには草原に居て、ここへと歩いて来たんです。」

Jol edixa si besltertel fal no.
「今、彼は納得したらしい」

Vatimel edixa si xacerrga lkurf ny la lex.
更に彼はありがたいことに次のように言った。
>xacerrgaは接続詞なので、vatimelと位置を入れ替えると自然っぽさがある。

Asnixart l'es mi'i en nyrnenalo.
「異邦人である自分を泊めようと言うのだ。」

Cene niv mi tydiest xokise'l atif gelx jukarleno'i lostutes mal si'c josxe.
「よそに行くことは出来ないし、行くべきではないだろうから、親切に甘えさせてもらって、彼に付いていった。」
>惜しい、明記されていないので分かるはずもないがjosxeは付いていくものに-'iを取る。これについては辞書に追記する。

Chai danifaj jarlimite sniexij mol fal fqa'd kaxilijas jol.
「線でも舗装された道路でもないものが、この村にあるのかもしれない」
>ここで言及されているchaiは何の意なのだろう。

Vatimel fedial mol.
「更に、井戸があった。」

Ers set venal ol undestan'd dunalikafi'ame es xesxe?
「とても田舎なのか、もしくはこの世界の文明は昔ながら(?)なのだろうか?」
>"nefvatinen" [nef-vatin-en](未発達の)を作ったので、xesxeと入れ替えると良いかもしれない。

Liaxu la lex xale iulo'i tisod mal etixon furdzvok mol.
「そんなことを考えていると、直ぐに到着していた。」

Si'd dystis mol fal kaxilijasastan'd stikiesn ly.
「彼の家は村の末端にあるらしい」

“Cespal, ers lystet.”
「狭くて済まないね。」

Edixa la lex'i lex lkurf si'd dystis es flarngn pelx edicy niesiesn lius sniesej mal stidisnon nutines xinev.
「そう言う彼の家は質素だが、家具は綺麗であり、床は綺麗に掃除されていた。」
>flarngnは性格に使う。"mol filx xipiaoen zalizal"とかにすべきだろうか。

“Edioll mi nat kverniacelemees niv.
「自己紹介がまだだったね。」

Mi'd ferlk es Kachet Dethik.
「僕の名前はカチェット・デティック」

No'l plax.
「よろしくね」

Mal co'd ferlk es harmie lu?"
「それで、君の名前はなんだい?」

Ers nesnerl vilartienj niv.
「聞き慣れない音だ。」

Lkurfon fuaj deluses akrunfto mag corln ers niv aloajerlerm.
「会話のためには翻訳が必要だから、もちろんアロアイェーレームではないだろう。」

“Mi es Fixa Velertextiju.”
「俺はフィシャ・ヴェレーテシュティユ」

Edixa si fenxe oniex ad xper mi'c fal heska.
「彼は夕飯にパンとスープを出した。」

Mal plaxeson veles kantio mels fqa'd kaxilijas.
「そしてこの村について教えてもらうことにした」

Edixa si lkurf ny la lex.
「彼は次のように言った」

Kaxilijasastan mol fal fegard fon naa'ra fon Colkut mal andqassa'd larta sietiv.
「この村はソルクット王国の辺境に位置し、30人ほどの人間が住んでいる。」

Mal e niv fercaglesni fontalsj mal e's iesnyx niv pa ers vynut kaxilijas zu als miscarceldin.
「交流は殆無く、繁栄しているというわけでは無いが、皆が助け合う良い村だ。」
>一文目に動詞が抜けている"fercaglesni fontals mol niv"だろうか?

Edixa mi tidest mels sime.
「俺は彼自身についても尋ねた」

Si'd icco es Colkutu'd sysit melx liacy tast fua fhasfa'd lamiet ly.
「彼の故郷はソルクットの中心部であり、様々な理由で逃げてきたらしい。」

Nio si sietiv cixj lankirler fal niryj ly.
「今彼は医者としてここで暮らしている。」
>"nio"の位置は動詞の前(もしくは後ではnioj)が正しい。

“Liacy niss relod xale keples mi da.
「彼らは家族のように僕を受け入れてくれたんだ。」
>別に間違いではないが、daは詩語である。詩語を入れると、少し気取っているように聞こえるがそこまで強いニュアンスを持っているわけはないので別に気にしなくても良い。

Fal cirla, Kachet es restuten ferlk zu mi icve fal fqa.
「実際、カチェットという名字はここで得たものだ。」

Yst no ny y, als g'es Kachet fal fqa, e sties e'i fal tesnoken ferlk."
「言いそびれたけど、ここではみんなカチェット姓だから、名前で呼びあうんだ。」
>"miscaon"をstiesの前に挿入すると分かりやすくなりそうだ。

Fasta dekuto miss tastleus mal en sulaunala'l.
「雑談の後、俺達は水浴びして、寝床に入った。」
>間違いではないが、"fasta dekuto"の後にコロンを付けると読みやすい。

Edioll panqa lap jieniej mol pa Dethik parxam lkurf la zelx mole mi sulaun fal la lex.
「ベットは一つだけだったが、デティックは俺がそこで寝るべきだと言って譲らなかった。」

Skylolen iuloss voles fal sysnul.
「大変な出来事が今日起きた。」
>skylolenはどちらかと言うと事の重大さを表す形容詞なので、ここではsxeを使うべきだろうか?(後ろの文章を見てこの指摘は怪しくなった)

Pa mi mecceries tisod ny la lex. Elaja, cene mi niejod fal fqa'd unde.
「だが、俺はとりあえずこう考えた。大丈夫さ、俺はこの世界で生きていける。」

2019年1月18日金曜日

lipaっぽい単語から始まっている単語の問題


 リパライン語の単語には「リパライン語」や「リパラオネ民族」を表す<lipalain>、リパライン語を表記する文字を表す<liparxe>、「リパライン語」を表す<lineparine>、「リパラオネ教」を指す<lipalaone>(恐らく「リパコール」という名前の<lipakorl>も)という感じで通常は合成語などで対応できるものが語根として存在している。これらについて考えていきたい。

《lipalain》 - 「リパラオネ人のやり方」
 現代語"lipalain"の語源が前期古リパライン語の"lipha limi"で、この"lipha"が「暗黒」の意。この形態素は祖語の*liəと*pʰæの複合語で、前者はliaxaなどの相助動詞と同根で、後者は羅祖語*phedと関係があるかもしれないと考えられている。

・*lipha部分のことについて
 PMCFでアイル共和国のリナエスト側の島の名称である闇(ペド)島、リパラオネの混血や言語構造的影響をある程度受けているバート人という名称はラネーメ祖語の*phed由来であること、ラネーメ側から見てリパラオネ人世界は西側が近かったことを鑑みるとシアン祖語ではリパ・リナを指したのかもしれない
 祖語*liəは存在動詞で、古くは相助動詞では無かった。現代語のliaxa, liaxi, liaxuなどは祖語*liəの相変化型で、本来動詞節をとっていた物が中期理語で動詞が無変化となったことで成立した助動詞となってユナ・リパライン語派ではこれが定着したもの。古理語やヴェフィス語派では相変化は残っている。
 古理語の造語規則に従うと*liə+*phedは*liphとなる、これは恐らく「闇側に居る」=「西側に居る」=「リパラオネやリナエストに居る」という意味になると思われる。

・*limi部分のことについて
 limiは古リパライン語では「道」を指しているが、これから派生したlimeという動詞は「行う、実行する」という意味になっている。恐らく*limという形態素は「道、行く、行う、実行する」のような、現代ラネーメ語に近い意味範疇を持っていたのだろう。燐帝字母の「行」を見てみると「行く」、「行う」が同じ祖語の単語で存在している。

 つまり、*liphと*limがくっついた*liphəlim(əは緩衝母音)が語源となると思われる。その後以下の音韻変化を経てlipalainになった。

  • 古ユナ語までに有気音は完全に無声化した。
  • /i/は古典語、中期語の間で[aj]で発音される音韻変化を起こす場合がある。
  • 後述の通り、lineparineも元々は[lajneparine]だったため、変化の途中では[laipalain]だったが、恐らく語頭の音節では[aj]-[ej]-[i]と変化した。
  • 語末のmはnに変化する場合がある(ectientoceium - ectentoxun, ihaksam - fazan, ircalart vhensium - irvhenなど)


《liparxe》 - 「リパラオネ人の……」
辞書によると一番古い文字表にはlipha sheと書いてあり、lipha(つまり*liph)は古理語で沈黙を指し、*sheの意味はよくわかっていない。sheが含まれるのはpleashe(現代理語同根語はplax)、音象徴としてはshi(感謝)があるこれが語源かは確実ではない。     
 falira.lyjotafisは「沈黙と感謝で対比させて万物の表現を意味した」とする説を提唱した。古理語ではlipasheという単語が一般的に使われた。liphaの古理語辞書音は[lifa]であるため、元々は[lipʰa ɕe]のような発音で中理語までに無気音化したために[pʰa]が[pa]になり、アクセント位置が後ろから二つ目に固定されたために長音になった。現代標準語では初期はliparsheであったが、表記ゆれとして段々とliparxeになっていった。shに当たる音は現代語ではx/shの音素の変化と共にɕ - ʃ - ʂと変化していった。

《lineparine》 - 「リパラオネ人の高貴な言葉」
中期リパライン語では/lainepaline/だったため、lipalainの後部の要素と*parineがくっついたものと考えられる。*parineは恐らく語源が「高貴な言葉」という意味の"pharinue"で、lineparineの古い形はlainəpharinueのような形だろう。つまり「リパラオネ族の高貴な言葉」という意味である。

《lipalaone》 - 「リパラオネ人の文化風習」
liparxeと同じく前の部分はlipaは*liphであろう。*laoneは良く分からないが、faik{leone}やyues{leone}(iues{leone})などと同根の単語で「土地やその土地に結び付けられた文化風俗、慣習」を表していたのだろう。つまり「リパラオネ人の文化風習」ということになる。


2018年12月28日金曜日

"Icekai" es xorln unde #5の精読

和訳は私による拙訳であり。非公式である。

“Ers tepiex......”
「あっけなかったな……」

Edixa la lex es ez fegerdirverl.
それはしっかりとしたfegerdirverlだった。
→fegerdirverlが何かよくわからなかった。
→なんかココらへんはdiscordで話した気がするなと思ったら、「感想」という意味らしい。おめえ、ふぁふすは辞書にちゃんと書けという感じだ。となると、[feg-er-dir-v-erl]ということかな。

Edixa ers lajnef sesnudo mal knastan es xorln lyned.
正当防衛で、相手は妙な生物だった

Pa cene mi fyrfsyk io reto e'i?
しかし、俺は簡単に殺すことが出来たのだろうか?
→ioが妙な位置にあって不自然に聞こえる。自分だったら、fyrfsykonにするかなあ。

Tan, edioll klian molal io elx liacy xenon veles laoziavo mal kafi’a toxa unses.
そして、クリャンが居たところに淀みが作られて、光る石が落ちる。
→unsesはおかしいなあと思ったけど結果存続相だしまあ良いのかという感じになった。
→elx (助動詞)は動詞の前に来ることが多いと思う。
→veles/celes Vの助動詞って結構気になるわけだけど、まあvel/cel由来だし、あまり深く考えなくても良くねという話がある。

Edixa lior la lex mag snyxus mal fonti'a.
それを気にしていたから拾って、確かめてみた。

Mal farceso’i liuson plas xale ny la lex josnyn.
そして、解読を使って前のような説明を表した(?)
→副詞節は動詞の前後にしか来れない。josnynをliusonの後に置いて、"plas"を"plasa's"にすれば完璧そう(或いはliusonjにして副詞節を後ろに置くのも良い。)

Khelten toxa : Ers xemen lynede’d kheltesneje’st alfanusteso.
魔法石:変性生物の魔法力が結晶化したこと
→alfanusteserl、確かに-oが対象を表している場合もあるので類推としてはあっているが基本的に-oは事象を表す動名詞で、-erlは対象を表す。

Xemen lyned es klian ad ete'd erjen ferlk lyme.
変性生物というのはスライムやら他のを引っくるめた名前だろう
→erjenの位置はetの前だと自然な感じがする。

Jol la lex es niv launsar'd xemen vykot.
下の世界の変性生物のことではないだろう。

Tan, jol toxastan es penxen fua fhasfa gelx selene letixelst, pa xalwa plorulon letix niv wounsa.
それでは、この石は何かに使えるだろうから、持っておきたい。だが、残念ながら服にはポケットが無かった。
→そういえば、最近気付いたんだがリパライン語の句読点の使い方ってちゃんと考察とまとめがされてないからあれだが、とりあえずpaの前に,はあまり打たない。"e es e mal, e es e"のような書き方はされていたことがあるし、その名残が幾つかの接続詞で書かれることもあるのでそれはありなのだが、今ではあまり書かないのが主流。

Hame lecu mi es?
俺はどうしよう?
→esの他動詞用法を明示したほうがよいので、"e'i"があると良い。

Liaxu la lexe'i tisodil io aplansalustaxm vilartirgon josnyn.
そう思った時、画面が慣れた様子で現れた。
→vilartirgonの意があまり良く分からなかった。この訳で良いのだろうか。

Anfitir celnirfe
保存空間
→単純にanfitirrgalとかL'anfitir celnirfeが良さそう?前回の添削でなんか云ってそうなのでそれに沿って頂く感じで(適当過ぎる)
iu
なし

Fqa es anfitir celnirfe'd anfi'e'd asnast n.
これは保存空間の能力の効果か?
→anfitir celnirfeに関しては同上。

Mal liaxa cuturlil ler tisodon elx jol la lex es anfitirgal nillast.
それでは出た時に思ったようにそれは文字通り保存場所ということになるのだろう。
→副詞節は恐らく掛けにくくなるので、困るところだ。"Mal, Jol la lexe's anfirtirgala'c es dalle elx liaxa tisodo lerj cuturlil."とかにすると綺麗に見える。

Festelon tisodain “Anfitir khelten toxa”.
試して念じる、「魔法石を保存せよ」
→festelの語義が多いので格組の固定がないと何の意味か良くわからなくなってしまう。かといって"e'i e'c festelon"と言ってもまどろっこしいので、素直に"ankalefeneson"とかにすべきなんだだろうか。

Anfitir celnirfe
→同上
Khelten toxa×1
魔法石×1

Xeu io tisodain “Moute khelten toxa” mal niacicen iulo elx liaxa voles.
次に「魔法石を取り出せ」と唱えると、逆のことが起こった。

Edixu fartenerxi la lex pelx cene niv tvarcar.
それは予想していたが、信じることが出来なかった。

Hame morslyr'd mefidirgium es fal fqiu unde n.
この世界の物理法則はどうなっているのか?

Lirs, cirla io anfi’estan es penxen.
まあいい、この力は本当に便利だし。

Fenxis mi elenorfen elx veleso fhasfa'i tvarlo.
俺は何か盗まれることを心配しなくても良くなった。

Yst mea cene mi fyrfsykon vonserna nisnin mors at.
しかも、俺は重いものも簡単に運べるようになった。

Fai sysito liaxa mak dexaftest panqa'd kravnivo fon anfi’e melx jol mak tat kaxilijasa'l.
何はともあれ、また一つ能力の謎を解いたことだし、村に向かって歩くことにしよう(?)
→kravnivoは恐らくkarnivanoのtypo
→melx以降、jolというかlecu mi~みたいな感じがしたのだが違うのだろうか。

2018年12月1日土曜日

c/k書き分け問題を考察する

悠里・大宇宙界隈 Advent Calendar 2018 一日目の記事です。

1. あぶすとらくと

こんな話がある。
つまり、「悠里は万年メンテ界隈」という話だ。悠里における創作は漸進主義的なもので、進歩していく創作であると。科学的考証やデータの統一化、整理などが常に行われ続け、不明瞭な部分が明らかにされていく――そういう、創作であることは古理字存続論争などで明らかになっているものだろう。というわけで、悠里・大宇宙界隈AdC2018の最初の記事にふさわしいのはそういった原則に沿ったものだろうと思う。

 まあ、クソみたいな御託はおいておくとして、この記事は先日私が以下のような前々からの疑問をツイートしたところから始まっている。
この記事ではこの問題について考えていきたい。

2. /c/と/k/の状況整理

/c/と/k/は碑文体の時代から書き分けが起こっている。これはつまり、碑文体が用いられていた古リパライン語後期には既に/c/と/k/を書き分けていたことになる。逆にロライヘル文字には本来/k/しかなかったため古典リパライン語の最初期に/k/と/c/の書き分けは無かったことになる。

古リパライン語の/c/と/k/は本来[k]で発音されていたが、中期リパライン語までに多くの/c/は[s]に変化していた。古典リパライン語の/c/に由来する古ユナ語の*cに属する27単語中、[s]になった*c2は16個である、[k]になった*c1は7個である(ゼロになる*c3は4個、chになる*c4は1種類)。比較すると、どうやら*c1はo, aなどの紅母音に属する母音が続く場合が多く、*c2は蒼母音に属する母音が続くものが多い。/c/の状況も整理すると以下の通りになる。

《/c/》
古典 /c/ [k] → 中期 /c/ [s]
古典 /c/ → 古ユナ語 /k/(*c1) [k] /___o, a もしくは ___r もしくは ___Vn
古典 /c/ → 古ユナ語 /c/(*c2) [s] /___i, e, u, ə

古典 /c/ → 古ヴェフィス語 /ch/ [ʧ] → 現代ヴェフィス語 /ch/ [ʃ]
古ヴェフィス語 /ch/ [ʧ] → 現代ヴェフィス語 /s/ [s]
古典 /c/ → 古ヴェフィス語 /s/ [s] → 現代ヴェフィス語 /s/ [s]
古ヴェフィス語 /s/ [s] → 現代ヴェフィス語 ゼロ / 語中

《/k/》
古典 /k/ [k] → 中期 /k/ [k]
古典 /k/ [k] → 古ユナ語 /k/ [k]
古典 /k/ [k] → 古ヴェフィス語 /ch/ [ʧ] → 現代ヴェフィス語 /ch/ [ʃ]
古典 /k/ [k] → 古ヴェフィス語 /k/ [k] → 現代ヴェフィス語 /k/ [k]
古典 /k/ → フラッドシャー語 /ch/ [ʧ]

興味深いのは*c1/c2のような変化はヴェフィス語では/k/に対して起きているということである。
恐らくヴェフィス語族で起きている/k/ -> /ch/の変遷は/c/で起きた変化に対する類推で発生したのだろう。
ユナ・リパラオネ語派ではそのまま残ったので語族ではっきり別れているのが良くわかる。

3. 適当に考える

ロライヘル文字で書かれていた古典リパライン語の時期までは/k/と/c/は分類されていなかった。だが、碑文体で書かれる古典リパライン語後期で/c/が生えて、その音声は[kˤ], [kʲ], [c]のようなものであった。発音変化の初期/k/と/c/は混同されることが多かったが、後世になってユナ・リパラオネ語派では口蓋化したために/k/, /c/の書き分けが明確化した。